介護の仕事の歴史~措置制度から介護保険制度~
私は2005年から2013年まで9年従事していましたが、それ以前より活躍されているも大勢いらっしゃいます。
2000年より前は「老人福祉制度」「老人保険制度」に基づいて高齢者サービスが提供されていました。
別名で「措置制度」とも呼ばれていましたね。
行政が中心となって管理して、入所先の決定や利用する施設、サービスを決めていました。
しかし、問題点があり
・入所先や利用先が決まった場合、遠く離れているところへ決まってしまう可能性がある。
・行政が必要と認めなければ、サービスを利用できない。
・サービスが本人や家族の希望に添えない場合がある、もしくはサービスの種類が少ない。
・所得に応じて料金が変動(応能負担と言うそうです)する為中高所得者に負担が掛かる。
・サービスの質が一定。
・財源が税金
これらの問題のほかに、高齢化社会(今は超高齢化社会ですが・・・)による財源確保の困難により制度の見直しが必要になり、2000年より介護保険制度がスタートしました。
改善点として
・介護支援専門員「ケアマネージャー」の業種の創設と要介護認定によるサービスの必要性の判断が出来るようになって、利用者に合わせた介護支援が出来るようになった。
・サービスを選択する自由度が上がり、家族や本人の意思で決めることが出来る。
・財源の50%を40歳以上の人より介護保険料として徴収。
・サービスに多様性が出てきた。(4年も離れた為サービスが多様すぎて今はさっぱり分かりません)
・相談が気軽に出来るようになった。
・介護職の待遇改善への取り組み。
等々
将来への高齢化社会へ向けての措置制度の問題の改善をはかっています。
今はどうなの?
あくまで個人の体感での感想ですが、私が介護の専門学校を修了したのが2004年で、私を含めてほとんどが高卒から介護福祉士を目指して入学していました。
卒業後、次の年くらいから徐々に社会人を経験された方の入学が多くなってきたそうです。
その為、ほかの職種から転職された方も増えてきた印象があります。
また、年齢層が上がっていると感じていますがデータはどうでしょうか?
介護従事者年齢層
20歳未満 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60歳以上
0.9% 24.5% 34.8% 18.7% 10.7% 8.6%
0.6% 9.7% 17.9% 25.0% 25.6% 19.0%【出典】(公財)介護労働安定センター「平成25年度介護労働実態調査」(事業所における介護労働実態調査)
介護福祉士養成校の入学者推移
私は、15年前に専門学校を卒業して介護福祉士を取得しましたが現在はどうでしょうか?2018年の日本介護福祉士養成施設協会調査によると、以下のデータが出ています。
介護福祉士を育てる専門学校や大学などの養成校へ今年度に入学した人が6856人にとどまったことが、日本介護福祉士養成施設協会のまとめで10日にわかった。昨年度から402人減。これまでで最も少なくなっている。
協会によると、全国の養成校の数(課程数)は昨年度の396校から386校に減った。生徒がなかなか集まらないことなどを理由に、募集をやめたり過程を廃止したりしたところが10校あった。全国の定員数は385人減の1万5506人。充足率は44.2%で、いずれも過去最低を更新している。
外国人の留学生は急増した。591人だった昨年度のおよそ2倍にあたる1142人が入学。全体に占める割合は8.1%から16.6%まで上昇した。
留学生の人数を国籍別にみると、最も多いのはベトナムの542人。以下、中国の167人、ネパールの95人、インドネシアの70人と続いている。上位3ヵ国は昨年と同じ順位。今年度はインドやスリランカ、モンゴル、カンボジアなどからの来日が増えるなど、留学生の多様化が一段と進んでいる。【出典】日本介護福祉士養成施設協会調査 2018.9.10
現状、平均年齢が増加し従事者が減ってるのと、海外の方の就労が増加してきた・・・と言う現状です。
また、女性の方の平均年齢が顕著に高いですね。
介護を目指す日本人が減り続けている要因は社会的な評価や賃金の低さのイメージです。
いつからか、介護職がいわゆる3K「きつい」「汚い」「給料が低い」というレッテルが貼られてしまったのも大きな要因です。
また、以上のことが原因で人間関係が悪いなど今でもなかなか苦い印象の人が多いです。
私は地方在住ですが特に、地方での人材不足と高年齢化は深刻です。
(70歳過ぎまで夜勤をしていた超人のような方もいました)
徐々に待遇が改善?
はっきり言うと、私は介護福祉士をしていた時が今の仕事より給与は高かったです。
ただ、今は夜勤が無いのでその分を引くと同じですが・・・体は大分楽なので結果良しです。
介護保険制度導入以降、今年は待遇改善がある! 給料が増える! という話を職場ですることは無かったでしょうか?
私も 「○万くらい上がってる!」 「なんか増えたように感じないぞ!!」 「上の人たちで中抜きしてるんじゃないか?!」 など、恥ずかしながらあること無いこと言っていました。(笑)
特に介護の仕事でのイメージは低賃金ではないでしょうか?
ですが、平成21年度介護報酬改定以降、介護人材の処遇改善について、何度か改善を行ってきています。
・平成21年4月 平成21年度介護報酬改定 +3%改定 (介護従事者の処遇改善に重点をおいた改定)
月額 + 9,000円
・平成21年度補正予算 処遇改善交付金を措置(1.5万円相当)月額 +15,000円
・平成24年4月 平成24年度介護報酬改定 処遇改善交付金を処遇改善加算として 介護報酬に組み込む
月額 + 6,000円
・平成27年4月 平成27年度介護報酬改定 処遇改善加算の拡充(1.2万円相当)
月額 +13,000円平成
【出典】 厚労省 社保審-介護給付費分科会第131回(H28.10.12) 資料5 介護人材の処遇改善について
また、私の職場がそうでしたが残業やい意味のわからない休日出勤はありませんでした。
休日も世間で言われているブラック企業のようなところは少なくなっているのではないでしょうか。
(あくまで私の知っている範囲です)
まとめ
実際待遇の改善は年々進んでいます。
厚労省が介護職の慢性的な人材不足に対応するため勤続10年の介護福祉士に月給8万円の処遇改善を実施するとの報道や記事が見られます。
(かなり限定的です・・・全員じゃないのかよ・・・)
また、労働環境の改善は行政だけでなく、個々の職場でも従事されている方のひらめき、発想によって日々改善されています。
体を壊して離職した私は本当に尊敬しています。
今は難しいと思いますが、自分のように離職せざるおえなくなる人が少しでも減るように待遇の改善がされるようになってほしいと思います。
2019年以降は日本の高齢者数は増えることはあって需要はとても高いと言えます。
特に介護福祉士の仕事は介護職の中でも深い知識と、高い技術が求められますます需要があるでしょう。
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