要介護認定とは
私たちは、65歳以上になると介護保険被保険者証が市町村より交付されます。
また、介護保険を利用してサービスを受けるには、「介護がどれくらい必要か」とか「介護が必要な状態」を判断するために要介護認定を受ける必要があります。
認定を受けるには、本人が住んでいる市町村の役所へ行き本人や家族が申請しますし、各地区の地域包括支援センターや居宅介護支援事業所(ほぼすべての老人ホーム)へ相談し代行してもらうこともできます。
要介護認定とはどういうものなのか、普段は相談員の方にお任せしている方もいるのではないでしょうか?
今回はご家族の方が知っておかなければならない最低限のことを記事にしていきます。
入院中は申請できるの?
もちろん、病院に入院中でも申請は可能です。その場合には医療保険が適用されている入院中は介護保険は利用できませんが退院後すぐに介護保険のサービスが利用できるよう手続きすることができます。
その場合も、市町村役所や地域包括支援センターへ相談に行きます。
要介護認定の分類と認定調査
要介護認定は申請後に本人へ聞き取り調査を行い、かかりつけの医師が主治医意見書を書きます。これを認定調査といいます。
そして、聞き取り調査と主治医意見書の結果をコンピュータによる一次判定と、結果をもとに介護認定審査会が行う二次判定の二段階で行います。
その結果7つの段階に分かれてそれぞれの基準を分けると、下記のようになります。
要支援1・要支援 2 ■要介護認定等基準時間が25分以上32分未満又はこれに相当すると認められる状態
要介護1 ■要介護認定等基準時間が32分以上50分未満又はこれに相当すると認められる状態
要介護2 ■要介護認定等基準時間が50分以上70分未満又はこれに相当すると認められる状態
要介護3 ■要介護認定等基準時間が70分以上90分未満又はこれに相当すると認められる状態
要介護4 ■要介護認定等基準時間が90分以上110分未満又はこれに相当すると認められる状態
要介護5 ■要介護認定等基準時間が110分以上又はこれに相当すると認められる状態
主に5分野(直接生活介助、間接生活介助、BPSD関連行為、機能訓練関連行為、医療関連行為)について、要介護認定等基準時間を算出し、その時間と認知症加算の合計を基に要支援1~要介護5に判定されます。
この聞き取り調査ですが、経験者の方ならお分かりと思いますが、実際の要介護度より低くなってしまうことがあります。
特に認知症の方本人の聞き取りの場合、聞き取り中だけはっきりと受け答えをしてしまう方も中にはいます。私もそういったところに立ち合いをしたことがあり、認知症の不思議な部分を体験しました。
それはそれで良いことだと思うのですが、ご家族の方が満足しないこともあります。
ですが、ご安心ください。その場合再申請することができます。
再申請には二つのものがある
再申請には、都道府県に設置されいる第三者機関の「介護保険審査会」に申請するものと、担当のケアマネージャーへ相談して再調査する「区分変更」というものがあります。
県へ報告する場合、都道府県に設置されている介護認定審査会に結果が出た60日以内に申請すれば結果を再検討されて、再度要介護認定を受けることができますが、デメリットもあり、審査結果が出るまで通常数か月かかります。
この間の介護保険サービスは利用者負担となります。
担当のケアマネージャーへ相談する場合は「区分変更」というものになり、結果が出るまで一ヶ月程と短いです。これは、本人の心身の健康状態が変わった時などに行うもので、次の認定調査の更新を待たずに再度認定調査をする方法です。
ですので、もしご本人の要介護度に納得がいかないのであれば、担当のケアマネージャーや地域包括支援センターへ相談して区分変更のお願いをしてはいかがでしょうか?
補足:認知症加算とは
要件を満たして届出を行った通所介護事業所が、認知症の要介護者に対してサービスを行った場合に算定される加算です。認知症加算の要件は以下の通りです。
【 人員要件 】
(1)通常の人員基準に加え、介護職員または看護職員を常勤換算で2名以上確保しいること。
(2)サービス提供時間を通じて専ら通所介護の提供にあたる認知症介護実践者研修等(※)を修了した者を1名以上配置していること。
※認知症介護の指導に係る専門的な研修、認知症介護に係る専門的な研修、認知症介護に係る実践的な研修等
【 利用者要件 】
前年度または前3ヶ月の利用者の総数のうち、日常生活に支障をきたすおそれのある症状、または行動が認められることから介護を必要とする認知症の者(※)の利用者の割合が20%以上であること。
そして、それぞれの要介護度に応じて利用できるサービスが変わってきます。
また、これに応じて利用料金も変わってきます。
まとめ
要介護度の変化は本人の認知症の進行度や心身の病気の良し悪しで変わってきます。
そのため、一度出た結果に本人が満足して再申請を拒否するパターンも中にはあるようです。その場合はかかりつけの病院の先生に直接話をしてもらったりケアマネージャーを通して話をしていただいたほうが良いでしょう。
認定結果は、サービスの上限や利用限度額が異なるので、再度要介護認定を受けることができるということを知っておくべきですし、介護する側が経済的、心身的に無理をしたり、一人で抱え込む必要はありません。
様々なサービス・制度を利用して無理なく、楽に考えてこれからの長寿社会を生きていきましょう。
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